2016年サンリオ株主総会への雑感

サンリオの株主総会が2016年6月23日、例年どおりサンリオピューロランドにほど近い、パルテノン多摩、大ホールで開かれる。ひとまず気づいたことをメモしていこうと思う。

 

総会当日のサンリオピューロランドの特別運営の変化

株主と同伴者1名は、株主総会当日、無料でピューロランドに入れるのだが、2011年度以降、条件が少しずつ変ってきた。比較のため2010年度と2016年度の株主総会の比較をするため、表をつくった。

株主総会開催年度 2010年 2016年
運営終了時間 午後7時まで 午後6時まで
無料対象年齢 3歳以下 2歳以下
追加料金 追加入場不可 3歳以上2500円、18歳以上3300円

 

2010年度と2016年度の特別運営を比較してみると、条件が悪くなっているようにも見えるのだが、よくよく考えてみると、悪くなったともいえない。絶妙である。株主総会当日のピューロランドにいってみると分かるのだが、人でいっぱいである。人が多すぎて、場内を移動するのも大変で、イベントのときは長蛇の列だ。平日の昼間に総会が行われるので、小さい子供を連れた母親か、祖父、祖母のパターンが多い。

ピューロランドは、屋内型の施設のため収容人数に限界があり、会社としての本音は、株主本人に限定して入場させたいのだろうが、施設の広報的な意味もあるので、株主+同伴者1名を認めているのだろう。ただ、それまで同伴者が小さい子供2人、3人というケースについては、追加入場ができなかったので、追加入場できるよう株主から声があったのか、その後、追加料金を払えば入場できることになった。料金は平日の正規料金なので、会場内への混雑対策と、一緒に株主と入場したいとの要望のバランスをうまくとったと思う。

 

 

鳩山玲人(はとやまれひと)常務取締役が退任。干された?

私は株主総会召集通知をみて、がっかりしたことがある。それが、常務取締役である鳩山玲人の退任である。退任という言葉が中立かつ正確な表現になるのだろうが、15人いる取締役の中で唯一、彼だけが役員選任候補からはずされていた。他の14名は、去年と同じメンバーであり、なぜ鳩山玲人だけが、外されたのか? 私は、鳩山玲人に期待をしていた。鳩山玲人の仕事により、サンリオは高収益な企業になり、ROEは20%を超え、株価も10倍になった。

「担当および重要な兼職の状況」を見ると、他の役員は様々な担当・役職が書かれているのに、鳩山玲人だけ空欄である。そして、彼がいままでしていた仕事の多くが、2013年11月になくなった創業者の辻信太郎の息子である辻邦彦の嫁さんであり、2015年6月に選任された取締役の辻友子と、同じく取締役である岸村治良に割り振られていた。

これを私は、サンリオは鳩山玲人を干したと理解した。気に入らない人間を会社が干すときの方法の1つが、組織改変である。あるとき、何らかの理由をつけ、名前だけ新しい組織をつくり、その新しい組織に気に入らない人間だけを入れないのが、普遍的に見られる干すときのテクニックだ。

経営戦略統括本部長であった彼の席は、いまやどこにも引き継がれていない。亡くなった辻邦彦が鳩山玲人をサンリオに呼んだのだが、辻邦彦がなくなったいま、社内で疎まれたのか、それとも後ろ盾がなくなって仕事がしにくくなったのか、いずれにしても彼の席はない。

とある雑誌に鳩山玲人のインタビュー記事がのっていた、彼の人間性、生き方が、非常におもしろく、私は彼の大ファンだった。本当に残念である。

 

 

辻邦彦(創業者:辻信太郎の息子)死亡後の不可解な動き

2013年11月19日、サンリオの次期社長と目されていた辻邦彦が亡くなった。父親である辻信太郎は、株主総会で非常に憔悴しきった姿をみせており、息子の話になるとトーンが落ちていたのが記憶に残っている。

ここのところ、息子が亡くなった2013年11月以降の人事が騒がしくなっている。ここにまとめてみたい。

 

辻邦彦(創業者の息子):2013年11月(死亡)

辻友子(創業者の息子の嫁):2013年12月(入社)→2014年6月(執行役員)→2015年6月(取締役)

辻朋邦(創業者の孫、友子の息子):2014年1月(入社)→2015年6月(執行役員)→2016年6月(取締役)

 

まず2014年6月の株主総会。創業者の辻信太郎の息子が亡くなった後のはじめての株主総会。このとき、辻信太郎は「息子がなくなって、これから会社をどうするのか、途方にくれている。今後のことは、これから考える」と発言していたと記憶している。だが、後からわかったことは、すでにそのときには、息子の嫁と孫を入社させ、さらには嫁を執行役員につかせていたのだ。株主総会では、息子の嫁と孫を入社させたといっておらず、さらには執行役員につかせたという話もしていなかった。

2015年6月の株主総会。突然、息子の嫁(辻友子)が登場。突然、株主総会に亡くなった息子の嫁が登場した感が否めず、株主総会の召集通知には嫁の経歴が何も書いていない。強い違和感があった。株主から「息子の嫁はいったい何をしてきたのか?何ができるのか?」質問があったぐらいだ。これに辻信太郎は「彼女は英語がしゃべれて、国際的な経験が豊か。台湾のエバー航空とキティーちゃんの契約をまとめ、米国でも息子の出張についていった」と実績を強調。聞いていて「無理やり感」がぬぐえず、「息子がなくなって、カネがないから、嫁さんを役員にでもすえて、未亡人の生活保障をしたいのだろう」と思っていた。

ちなみに、辻友子は1968年11月19日生まれの47歳。いくら旦那の出張についていったといっても、20歳で子供(辻朋邦)を生んで、それから子育て。仕事のキャリアを形成すべき20代は子育てにおわれていて、仕事のいろはを勉強する機会がなく、キャリア形成はできていないと見るのが自然だ。申し訳ないが、いくら息子の嫁だからといって、取締役にすること自体、サンリオという会社の見識、そしてサンリオの役員の見識を疑わざるを得ない。

 

2016年6月の株主総会。召集通知をみたら、驚いた。取締役の候補に辻朋邦と書かれている。1988年11月1日生まれ27歳。ちょうど、ママのおっぱいを飲み終わり、まだオムツをしている年齢だ。そんな年齢のお子様を、いくら辻信太郎の孫だからといっても、取締役にするのは、ちょっとやりすぎじゃないか? 去年、ママのときに取締役候補者とした理由を一切書いてなかったので、株主に突っ込まれた経験から、今回はご丁寧にも

「営業担当執行役員として、短期間に部門損益の増益に成果を出し、加えて、創業者の孫として、当社の企業理念、企業文化およびビジネスモデル継承の担い手になり得ると考え、取締役候補者としました」と書いている。

これは某国の将軍様のおとぎ話と同じ話のたぐいだ。何をして、どのぐらいの利益を出したのか? 他の社員と比べ、どのくらい利益をだしたのか?重要なことが何も書いていない。サンリオの亡くなった息子の嫁さんと、オムツがまだついたままの坊やの経歴を見るとパターンが一緒で思わず苦笑いした。

サンリオに、ひとまず入社させる。そして、執行役員にする。1年後に取締役にする。

執行役員にするのは、表にしなくても社内的に決められるからであり、株主総会の決議事項ではないからだろう。いきなり取締役にしようとすると、株主総会で、そいつは何をやってきたんだ?と突っ込まれるので、いったん執行役員にして、「大活躍した」おとぎ話をつくり、それをもとに強引に取締役にする。この後は、既成事実化して、辻朋邦を社長にするつもりだろう。

このような会社に未来があるのだろうか? 創業者の辻信太郎は昭和2年12月7日生まれ。88歳である。いつ亡くなってもおかしくない。本当は会社の経営から身を引きたいはずだ。だが息子が亡くなり、そうもいっていられなくなって、社長業をしているというところなのだろう。ただやり方が強引だ。今回の、息子の嫁の一件と、孫の一件は強引すぎる。

今期の配当は1株あたり80円を予定しているらしいが、損益計算書から計算すると、1株あたり63円しか利益がでていない。タコ足配当だ。ROEも一桁台である。ROEを20%にした業績をあげた鳩山玲人を首にして、ビジネスの経験の乏しい息子の嫁と孫を取締役にする辻信太郎。彼のおかげで株価はピークの3分の1になった。このような経営をしていれば、株価がさらに下がるのは時間の問題である。

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