マッキントッシュロンドンを買ってみた(1/3)

マッキントッシュロンドンのコート

先日、知り合いにあったに会った際、コートの話になり、面白い話を聞かせてくれた。

彼は新宿に本店のある百貨店でコートを買ったようなのだが、彼が買ったコートはマッキントッシュロンドンというブランドのコートだった。

 

マッキントッシュロンドンといえば、イギリスのブランドであるバーバリーとのライセンス契約解消後に、三陽商会が2015年秋から始めたブランドで、三陽商会の社運をかけたブランドである。40年にわたりバーバーリーのライセンス商品をつくり、コートをつくってきたメーカーがつくる商品はどのようなものなのか?

 

彼の話を聞くと驚いた。コートを購入後、袖の調整や名前を入れるのに2週間ほどかかるのだが、到着後、3回も着ていないのにワキの下に毛玉ができはじめたというのだ(正確にいえば、3回目の着用でワキの下に毛玉ができていることに彼は気づいた)。彼がコートを着ている時間は1日2時間もない。最初は発生した毛玉を取り除いていたそうだが、着る度にワキの下から毛玉がイモ虫のようにでてきて、毎回、毎回それを取り除いているうちに、生地が薄くなり、そのうち生地がなくなってしまうのではと不安になったそうだ。その状態になるまでに6回の着用だそうだ。

 

ワキ下の5つの丸カンと毛玉

なぜこのようにワキの下にイモ虫のように毛玉ができるのか? ワキの下をよく見ると、マッキントッシュロンドンのコートには5つの丸い金具がついている。購入時点でワキの下に丸い金具がついていることは販売員から説明もなく、彼も買う時点でワキの下を確認していなかったので知らなかったようなのだが、後から電話で三陽商会カスタマーサポート(0120-340-460)に尋ねると「通気性を確保するためです」「その穴からワキの汗がでます」「毛玉の発生はワキ下の金具と関係ありません」との説明を受けたようだ。

 

「その5つの丸い穴からワキ汗が流れるぐらいの汗をかく人なんていないよね?」と彼は冗談めかしていっていたが、心配なのはワキ下の毛玉だ。「この硬い金具が生地にあたり、ワキの動きとともに生地の繊維を削り取り、結果的にイモ虫のような毛玉ができているのではないか?」彼は三陽商会の「毛玉の発生はワキ下の金具とは関係ない」との説明に納得していないようだった。

 

彼はこの毛玉の問題について、再度、三陽商会カスタマーサポートに問い合わせた。すると「丸カン(丸い金具のことを三陽商会ではこのように呼ぶようだ)が生地を削ることはございません。事前に生地データをメーカーから取り寄せて確認しておりますし、弊社でも製品を企画する際に検査しております。お客様のお求めになったコートの生地はイタリアのロロピアーナ社製ですから、生地が繊細なんです。ピリング(彼のいうところの毛玉)は繊維製品である以上、どうしてもできますし、ピリングができるのは仕様になります」

 

カスタマーセンターのスタッフは「ロロピアーナ社の生地を使った繊細なコートだから、ピリングはでます。仕様なので、丁寧にブラッシングしてください」を繰り返したそうだ。彼はその説明に納得がいかず、彼の家にあったロロピアーナ社やゼニア社のスーツやコートと三陽商会マッキントッシュロンドンが使っているロロピアーナ社の生地の比較を行った。その結果、彼の家にあったロロピアーナ社やゼニア社のスーツやコートは毛玉が全くといっていいほどでておらず、三陽商会マッキントッシュロンドンが使っているロロピアーナ社の生地は、質が悪く、彼曰く本当にロロピアーナ社の生地が使われているのか疑ったそうだ。これまで一度も見たことのないほどに相当、質の悪い生地のようだ。

 

彼は購入した百貨店内にあるマッキントッシュロンドンのお店に、毛玉の件を電話で相談した。「確認するので、店頭まで持ってきて下さい」といわれた。そして、すぐに問題のコートを店頭までもっていった。その結果「ワキの下に付いている金具は生地のピリングには関係ないと思うが、はっきりしたことは検査にだしてみないと分からない」といわれ、店員さんの勧めで検査を依頼した。検査は1週間でできますとのことだった。

 

検査に出してから1週間。連絡がこない。2週間。連絡がこない。あまりにも遅いので担当者に電話をしてみると「まだ検査に時間が必要です。途中で電話をすればよかったのですが、忘れてました」といわれたようだ。彼は「電話対応1つみても、その会社の考え方がわかるよね」と皮肉を込めていっていた。マッキントッシュロンドンの売り場の担当者もそうだし、本社のカスタマーサポートもそうなのだが、自ら名前を名乗らないようだ。それにもかかわらず「担当者はどの者でしょうか?」と担当者を聞かれるという。名前を名乗らないのに、担当者が分かるわけがないよねと彼は苦笑いしていた。

 

ようやく検査の結果がでたというので、店頭へ行き「調査報告書」を見せてもらったそうだ。調査報告書には「依頼品のピリングデータは基準値内の数値です」と書かれているだけ。その文言をもって、依頼に出したコートは通常の問題のない製品だというのだ。「ワキの下に付いている金具が生地と接触することで生地が削れ、毛玉が発生しているのか確認してほしい」と検査依頼しているにもかかわらず、「金具と生地の摩耗性」を確認する検査について、報告書には何も書かれていなかったそうだ。

 

報告書内には、ケケン試験認証センターが調べた生地データがのっているが、当初は「お客様が持ち込んだコートの生地を実際に調べたデータです」といっていたものの、報告書内の矛盾を指摘されると、後になり話が変わり「お客様が持ち込んだコートは拝見しただけです。ケケン試験認証センターが調べた生地データはメーカーからもらったデータです」と実際の生地を検査すらしていなかったことが判明したという。

 

持ち込んだのコートを実際に検査もせず、「基準値内の数値です」の一文を調査報告書内に書き、その一文をもって「製品は正常です」と売り場の店員は言ってきたようだ。「ワキの下の金具が生地にピリングを起こしているか調べるというのでコートを検査にだしたのに、出したコートを何も検査しておらず検査をしている途中だと偽りの説明を顧客に続けながら真冬のコートが必要な時期に2週間以上の時間を費やした三陽商会。三陽商会さんは、このようなことをする組織なのでしょうか?」

 

彼はあきれていた。「ワキの下は腕の動きが伝わる部分であり、そのような場所に金物を5つもつけたら、金物と繊維とこすれあい、繊維がどのような状況になるか想像してみれば分かりそうなものだけどね? 今まさにその状態になっていて、到着して1週間も経っていないのに、着るたびにイモ虫のような毛玉がでてくる状態で、この状態だと来年には腕の内側の繊維がなくなるのではないか? 売り場の店員さんが検査を提案したので検査に出したところ、最も重要な金物と繊維の関係は全く試験せず、ピリングの原因は金物ではないと決めつけ、製品に問題がないとの認識ですよ? 私には全く理解できません。本社の対応も、顧客視点とは少し遠いようですね。三陽商会さんは、こういう商売のされ方を長年されてきたんですかね。とても残念ですよね」

 

マッキントッシュロンドンを買ってみた(2/3)

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